バラ園芸の愉しみ
bQ


以前、事情があって100株ほどの鉢薔薇を処分せざるを得なかった事があった。
幾人かの友人に尋ねた所、すこぶる反応は良かった。品種を言っても珍紛漢なので好みの色を聞き分け歩いた。
たくさん咲かずとも生き永らえてくれればいいと思っていた。
ところが1人残らず薔薇栽培を人生の道標としてしまった。
花は美しく咲き悔いなく恐怖もなく散っていく。
こんな人生を送れたら幸福だ。
お礼にいただいたデパートの商品券や芋焼酎やらでしばらく堕落した生活が続いてしまった。
ほどんど新苗(9月頃接木・芽つぎされた苗を翌年の5月頃から販売される若い新苗を言う。そしてさらに半年以上育てられ
10月頃より販売される苗を大苗という)から育てているので高価な代償は余りあるのだ。
それもリテールアウトレットで買ってくるものばかりだ。


薔薇は黒星病が持病なので放っておけば必ず発病する。
旬を過ぎると苗は醜い姿に変わり評価格も下がりっぱなしだ。
そんな苗木を見捨てる訳には行かないのでレジで小銭を拾い出している時のレジ係りの人達の顔は
シンデレラの意地悪お姉さん達のようだ。
こんなの買ってどうするつもりかしら?といわんばかりだ。

鉢増し

鉢は7号鉢位の小さな鉢に鉢増しし根鉢を崩さず1回り大きい鉢に土を足して植えつける。
鉢は大き過ぎるものに植えつけない。大は小を兼ねません。
苗が小さいのに鉢を大きくすると肥料の吸収が悪く水も吸い上げきれず根腐れを起こしやすく成育も悪くなってしまいます。
3年ほど(年に1回、12月〜1月中旬に鉢増し1回りずつ大きな鉢に変えていく)たって成株になれば大きい鉢にしても問題はない。
毎年植え替えるのは理想的ですが1年おき位に鉢の縁の土をスコップで入れ替えるだけでも良い。
根を少し切ることになるけれども剪定と同じ時期に行えばよい。
最低気温が4℃を下回ると薔薇は休眠に入る。
休眠期は、麻酔にかかった人間のようで、移植や剪定・寒肥えをこの時期に行う。
12月〜2月は人間界ではまだ真冬だけれど薔薇の根はもう春を感じて延び始めている。


農薬

購入した苗に黒星病のある場合、サプロールかマネージ乳剤を散布する。商品名は違うが成分が同じ薬です。
農薬は輪用すると抵抗性がつく間もなく効くが同じ成分で名前が違う薬があるので注意したい。
サプロールは黒星病の治療薬なので、やたら使う薬ではない。切り札としてとっておきたい。
農薬は各分子式が違うので5〜6種混ぜても問題はないのですが、やはり木にはストレスをかけるし
艶のある葉のワックスを溶かしてしまい美しさが失われてしまします。
各品種によって性質が違うので薬を使い分けなるべく少ない回数で済ませる事を考えた方がよい。
ホワイトクリスマスなどの白い花は雨に当たるとカビて開かなくなるのでロブラールやポリオキシンなどで防除する。
展着剤は浸透移行性のあるアポローチを使っている。
ミニバラやバレリーナなどはの薄い品種には真夏の乾燥期にダニが発生しやすい。
葉の緑色がかすれてくもの巣がはったようになれば、葉ダニの被害を受けている
スミチオンなどの殺虫剤は効かないので殺ダニ剤を使う。
ダニ剤は殺菌、殺虫剤と混用してもよいのですが、効き目は落ちてしまうので単用で使いたい。
同じ殺ダニ剤を使い続けると3回目位から抵抗性がつき、効かなくなってしまうので、必ず1種輪用します。
ニッソラン、オサダン、テルスター、ダニトロンなどを輪用すると、退治できる。
ケルセン、ダブル、テデオン、などは臭いがきるいので近所迷惑になる。
殺虫剤は春先はオルトラン・・・5月の1番咲き以降はスミオチン、マラソンで充分。
購入するのに免許証やハンコの必要なものはバラでは必要ではないし、これで間に合うと思われる。
殺虫剤はダニコール(春先は新芽に薬害がでることがあるので、軽い希釈で使うとよい)、
オーソサイド、ジマンダイセン、ポリオキシン、などの安値な薬を輪用すれば充分です。
雨の予報前日あたりで洗濯物や自動車(塗装にしみをつける)に注意し、
噴射機のノズルはやや粗目にセッティングし散布する
(霧状にすると葉に着しにくく、葉が飛散し無駄になってしまいます。)
軽くかける程度でよく、したたり落ちるようではかけすぎです。
害虫の産卵期は満月の頃が多いようなので、その後一週間くらいが散布適応期でしょう。



バラは水を多く必要をします。庭植えの場合は余ほどの日照りでなければ水やりの必要はありません。
鉢植えは葉のついていない冬の間は10日〜2週間に1回くらいで、葉が展開する3月頃から1日おき位に増やしていきます。
葉から水分が蒸散するので強い風が吹いた日には必ず水をやりをします。
昨日やったので大丈夫と思っていても新芽が焼け焦げたようになってしまいます。
夏場は日中以外の朝か夕に毎日施します。
夏場乾燥ぎみにしなければいけないクリスマスローズなどとは水やりの仕方が逆なので注意が必要です。
根腐れを起こして枯れてしまう事があります。
水やりは各植物によって違うものですので1番むずかしい作業かもしれません。