K店長の宝石ストーリー


第4話
ルビー編

古代インドの人々は内部で燃え続ける不滅の炎と信じ”炎の石”と呼びました。
見る者を畏怖させる暗赤色。燃え上がりそうな鮮烈な赤。お菓子のように甘いスウィートな赤。
様々の赤の中で最高の赤「ルビーの王」とされるのはピジョンブラッドと称する透明な「鳩の血色」の石。
生命力が凝縮されたようなその色は、不老不死のシンボルとして時の権力者たちから熱い思いを寄せられていました。
また”ルビー”の語源は、ラテン語で赤を意味する「ルベウス」。
ヨーロッパでは1300年頃から広く知られこの世のすべての赤き物の象徴として人々を魅了し、
その強烈な輝きは情熱や勇気、威厳をもたらすパワーの源と考えられました。

              
ルビーは、鉱物学的には酸化アルミニウムの結晶である
コランダムに属します。
コランダムは硬度が9とダイヤモンドに次ぐ硬さを誇る鉱物で
この硬さも貴石に要求される条件の1つとされています。

コランダムは混入する微生物の影響によりブルーからピンク、
オレンジ、イエローにまで様々な色を持つ石へと姿を変えます。他の色のコランダムはサファイヤと総称されますが、
同じコランダムなのにルビーだけが赤色を発色する秘密は
酸化クロムという原子がほんの2%弱含まれた事が
ルビーの赤色を生み出しています。






ルビーの原産国
インド・スリランカ・タイ・ベトナム・アフガニスタン
タンザニア・マダガスカル



ルビーは原産国によって地層の影響を受け色味に
違いがあるのが特徴です。
ビルマ産 ビルマ産の最高級ルビーの色は、鮮やかでいながら深みのある赤色で
ピジョンブラッドと形容され全体的に濃度がありながら
やや柔らか味のある赤色が特徴です。
タイ産 タイルビーは世界市場かの約8割を占め(テリ)輝きが良く
やや黒味がかかった赤色は「ビーフ・ブラッド(牛の血)」と形容されています。
スリランカ産 明るい色味が特徴で「チェリーピンク」と形容されます。
できるだけ赤味の強い石を選ぶのがポイントです。
スタールビー
(シルク・インクリュージョンが生んだ奇跡)
ルビーをカボボションカットした時、山の頂上を中心に六条の線が走る石をスタールビーと呼びます。
特定のコランダムの中だけに六条の線が現れる理由はコランダムの中の内包物で
酸化チタンの一種のルチルが関係しています。
ルチルは細い針状の結晶で拡大観察すると絹糸のように見えることからシルクインクリュージョンと呼ばれ、
光の軸に合わせてカボ゙ションカットするとはじめて六条の線が浮かび上がります。

(アステリズム効果)

ルビーの宝石言葉 ルビーの象徴
情熱・仁愛・威厳 勝利・神力・悪魔払い

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