バラ園芸の愉しみ
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どのバラにも必らず素敵な名がある。
放っておいても咲くけれど、その名に相応しい本当の花をご存知だろうか。
行く先方方でよく「クイーンエリザベス」というピンクのバラをよく見かけます。
中輪咲きで目線より高い位置で数えられる程度の数で咲いています。
元元高性種でグランディーフローラという分類に入るけれど、
古くからある木立ち性バラの名花といえる。
目線より上にあっては花弁の裏側しか見ることができない。
よくある事だが感銘を受ける咲き方をしないと自分の判断が誤っていた事を、
別のバラを購入する事へ転化し修正しようとする。
わずかな花木が自分を満足させてくれるように花に対する接し方を学習し、それを習慣にする事だ。
美しい花を求めて数をふやしても決して満足する事はないだろう。

薔薇観賞の高さ

木立ち性のバラは目線より下で観賞して楽しむものです。
5月から11月頃迄すべての花を上から見下ろすように鑑賞しなければならない。
身長
150cmの人が秋バラをシーズン最後の鑑賞とする場合、
最高位置でも
140cm位の所で咲いてなければならない。
花芽枝が咲く迄に平均
40cm位延びるとすると、9月初め頃行った
秋バラ剪定した位置は
40cmをひいて地上100cm程だった。
そして秋バラ剪定の高さと言われる基準は春の一番花が咲いたあたりと言われている。
冬の剪定位置はそこから4
0cm程下がった地上60cmあたりとなる。
逆算して、冬剪定の高さは
60cm以下が必要となる。
鉢植えは鉢の高さの分が余計なのでさらに短く剪定する。
この様に管理された「クイーンエリザベス」は驚く程、多花性で花は大きい。
剪定されなかった放任バラは成長ホルモン
(サイトカイニン・オーキシン)
拮抗し互いに阻害する。オーキシンにより阻害されたサイトカイニンにより発生した貧弱な

腋芽は細く長い枝の為、風邪に揺られ今度は老化ホルモン(エチレン)が促進され
養分を蓄える暇もなく小さな貧弱な花を咲かせる。



剪定に適した時期

バラは休眠期に切ればきるほどよい。
剪定時期はよく
2月初め頃によい芽が出そうなピンク色になった外目を向く所の
58mmの所を角度をつけて切ると言われているが、よい芽が出る所がわかっていれば12月でもよい。
放任バラを健全な株に戻す場合、急に短く剪定すると老化枝の部分だけとなり
枯れ込む事も考えられるので、多少の新梢のついた所を残しながら
23年かけて短くしていく(冬の剪定時の状態を)


休眠期に短く剪定されると一番花が咲く頃、株元より新しい母枝(主幹枝、ベーサルシュート)
が発生する。よく育った母枝は翌年咲きの保証書のようなもので、休眠期には一般で短く剪定する。
母枝が更新されると古い枝から枯れてゆく。茶色く枯れた枝は切り、
黄色っぽくなり細い枝しかつけていない部分も、直に枯れるので早めに切りたい。
養分を無駄に使うだけなので新鮮な枝の方に集中させたい。
最初に枯れた枝を切る習慣をつけていると枝の色によって新しい古いがわかるようになり、
花をつけない枝が自然にわかるようになる。「シャルダン・ドウ・フランス」という品種は
5月より株元から多数の母枝が発生するが「イブ・ピアジェ」などは滅多なことでは母枝が発生しない。
オールドローズの血が濃いもの程そういった傾向で、古い枝にも花枝を多く発生する。
母枝が出にくい株にはチッ素分
(油かすなど)を少々多めに施肥し、余計な枝(ふところ枝、
立ち枝、下がり枝、かんぬき枝、くるま枝
)をすかし剪定し株元を明るくすると発生し易く
なる事もある。基本的に株本に日光が当たらないと母枝は発生しにくいのです。

2月中旬頃から新芽が立ち上がり、3月下旬には葉が出揃い、4月中旬には蕾が出揃います。
3月下旬頃から日光の当たらない貧弱な芽や枝を間引きします。放っておくと、
蕾がつく前に枯れてしまいますので、早めにかきとり養分をよい枝の方へ集中させます。
要は普通の園芸種花木の剪定に準じます。バラは大きな花木と違って狭い視界にも入るので
剪定は難しい作業ではありません。
誰にでも最初はある事なので失敗を恐れずはさみを入れてみましょう。



5月に入ると1番花が咲き始め房咲きの花は真ん中が最初に咲いて花芯のしべが
茶色く変色した花から切っていきます。全部が終わるとすぐに
2番花の為の剪定を行います。
1番花と同じ位の花茎が出ても支えられそうな所まで切り戻します。
なるべく外芽で
5枚葉の上35mmの所(花芽段がない時は内芽、3枚葉の所でも可)
秋剪定は春の
1番花が咲いた高さのあたりで剪定し、どの枝にもはさみを入れます。
最高気温が
27℃を下回るとよい芽枝を出すので、9月始め頃に行いますが、
暑い夏が続くようであれば少し後に行います。


さてつるバラの育て方は大分勝手が違います。
どの園芸誌を見てもアーチにバーゴラ、オベリスクにあふれるように咲くバラ。
これは
5月の一斉咲で一番美しい時。10月頃になると枝が延び放題。
寝起きの頭のような状態で、これを嫌いに散髪してしまうと冬に誘引できず
翌年たくさん咲かせる事ができなくなってしまうのです。労力がかかる為、
木立ち性のバラの新種は毎年覚えられないほど発表されるのに、つるバラはまったく
と言っていい程注目されず人気がありません。春の
1発爆発咲きのためにもっぱら1
栄養成長で延びるばかりで延び始めた枝葉はしの竹やさおだけで支えなければなりません。
延びながら太くなっても大丈夫なようにしゅろ縄に間隔を設けます。
放っておくと折れてしまいますし風に揺られると老化ホルモンが発生し延びが止まってしまいます。
きちんと支えられた枝は長さが全く違います。枝の長さは翌年の開花数に違いがでるのです。
大きさや延び方が品種によりかなり違うので育てた経験のある人に聞くのが
1番よいでしょう。
例えば
23mのアーチでは普通のつるばらでは小さすぎて支えきれません。
修景バラやイングリッシュローズで誘引するとちょうどよいようです。